2013年5月3日

ジョニー・マーが30年におよぶキャリアを総ざらいしたような趣もある待望のソロ・デビュー・アルバムを発表!

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ジョニー・マー『ザ・メッセンジャー』
◎ついに、といっていいと思う。ジョニー・マー(Johnny Marr)が、ソロ・アルバムを発表した。マンチェスターとベルリンでレコーディングされ、マスタリングはアビー・ロード・スタジオのフランク・アークライトが担当しているが、ドラム以外の楽器はほぼすべてをジョニー・マー自身が担当しており、アルバムの仕上がりとしては、きわめてパーソナルな色合いが漂う。

改めていうまでもなく、ジョニー・マーはギタリストだ。1982年にモリッシー(Morrissey)とザ・スミス(The Smiths)を始めて以来、30年以上ギタリストとしての立場を貫き通してきた。たとえばジェフ・ベックはギターにすべてを語らせるタイプのギタリストであるのに対し、ジョニー・マーは最初に楽曲がありそれをギターで支えたり煽ったりするギタリストとしてだ(無論、そこに優劣などはない)。これまでにもソロ・アルバム制作の要請はあったはずだろうが、今までそれを受けてこなかったのは、そこに楽曲とヴォーカリストを必要としたからだろう。本作発表に際しNME誌のインタヴューで「ソロ・デビューを飾るのに相当時間がかかったと思うけど、今の時点ではもうほかの誰のバンドにもいたくないという心境なんだ。これまでは自分が正面に立つことに躊躇してたし、凄い歌い手のいるバンドに加わってくることで自分が歌う必要もなかった」と語っている。

この作品は、ギタリストとしての彼自身に一区切りをつけ、新たな一歩を踏み出す決意表明でもあるのだろう。おそらくはかなり以前から少しづつ準備されていたのではないかと思われる楽曲は、どれも彼のこれまでの音楽人生において吸収し放出してきたであろうさまざまな要素がちりばめられており、音楽で描いた自叙伝といった趣すら感じられるものだ。ヒットチャートに送り込もうという意欲(それはそれで大切なんだけど)は感じられず、今できることのすべてをカタチとして記録しておこう、それを聴いてくれるヒトに届けよう、という30年以上前に戻ったアーティストとしての原点を取り戻したかのような熱意が、ひしひしと伝わってくるのだ。

久しぶりに「英国のロックを聴いた」という満腹感が感じられるアルバムであり、聴き終えると再びプレイボタンに手が伸びる魅力が感じられる。ということはコレ、名盤であるということになりますね。間違いなく。 [鈴木 祐/SD163]

メーカーサイトより「Upstarts」「The Messenger」のPVがご覧になれます
http://hostess.co.jp/news/2013/04/002453.html

Johnny Marr Official Web Site: http://www.johnny-marr.com/