2013年6月27日

リップ・リグ・アンド・パニックの3作がボーナス・トラックを追加収録し、リマスター盤、紙ジャケット仕様の国内盤で一挙に再発された!

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◎最近、同じくポップ・グループ(The Pop Group)から派生したピッグ・バッグ(Pigbag)が30年ぶりのニュー・アルバムをリリースしてファンを驚かせたが、マーク・スプリンガー、ギャレス・セイガー、ブルース・スミス、ネナ・チェリーらによって1981年に結成されたリップ・リグ・アンド・パニック(Rip Rig + Panic)の3作がアルバム未収録曲などをボーナストラックとして収録したリマスター盤でこのたび一挙に再発された。彼らの作品はこれまでヴァージンからのベスト盤『Knee Deep In Hits』があっただけでオリジナル作品は入手困難な状況が続いていただけに、今回の初CD化を待っていたという人も多いにちがいない。

先のピッグ・バッグ、マキシマムジョイ(Maximum Joy)、とマーク・スチュワート&マフィア(Mark Stewart + The Mafia)といったポップ・グループからの派生組のなかでは、ポップ・グループの先鋭性と狂気をもっとも引き継いだのがリップ・リグ・アンド・パニックといえるが、そもそもその名前の由来がローランド・カークのアルバム名ということからしてなんともクール。1981年に45回転の2枚組(こうした音質面でのこだわりも特徴)としてリリースされた『ゴッド(God)』(※右上写真)は衝撃度と破壊力という点ではもっともアピール度の高い作品。プリミティヴなファンク感覚、スプリンガーの即興性豊かなピアノ、ギャレスの奔放そのもののサックスとヴォーカル、ネナ・チェリーとスリッツのアリ・アップによる生命の謳歌など、フリージャズに軸足を置きつつ、まさにポスト・パンクと呼ぶにふさわしい斬新なサウンドを具現化している。ボーナストラックはシングル・エディットなど6曲。

同じく45回転2枚組としてリリースされた1982年の『アイム・コールド (I Am Cold)』(※下段写真)になると、さらにフリージャズ度がアップ。基本的には参加した15人によるフリーキーなインプロヴィゼーションを基に構成されており、各自が火花散るような壮絶なパフォーマンスを繰り広げている。注目されたのはネナ・チェリーの父親にしてフリージャズきってのボヘミアンといえるドン・チェリー(Don Cherry)の参加。じっさい、彼がもたらしたと思しきスタイリッシュなセンスはグループに新しい魅力を付与している。嵐のようにスリリングな場面が続くなか、地の底から蠢くような黒人音楽のエッセンスが滴るさまは聞き手をナチュラル・ハイへと誘う魔力がある。こちらにも12インチ・ヴァージョンなどを追加。

最後のアルバムになってしまった1983年リリースの『アティチュード(Attitude)』になるとサウンドは大きく変化。楽曲はコンパクトになり、ファンキーでダンサブルなスタイルへと変貌する。ピッグ・バッグの方法論に近いともとれるが、リップ・リグ・アンド・パニックはよりジャズ・パンク的ともいえる。ダンス・ミックスなどをボーナスとして収録してある。
 この機にぜひ再評価を![廣川 裕/SD165]

CD:『I Am Cold』CDMREDD-573/『Attitude』CDMREDD-574

https://www.facebook.com/RipRigAndPanic