2013年1月19日

オランダ・プログレの代表格フィンチが ファーストからサードそして、ライヴ/デモ音源を収録した3CDセットをリリース

フィンチ『ミソロジー』

フィンチ『ミソロジー』
FINCH『Mythology』

 フォーカス(Focus)と並ぶ70年代オランダ・プログレの代表格フィンチ。彼らが残した傑作3枚のうち入手困難だったファーストとセカンドがリマスターにて再発された。先日紙ジャケ仕様にて再発されたサードとライヴ音源、デモ曲などを収録した3枚組CDセットで、『ミソロジー』のタイトルでリリースされた。

 フィンチは74年にハーグで結成されている。ヨープ・ヴァン・ニムヴェーヘン(g)、クリーム・デートメーヤ(key)、ピーター・フィンク(bs)、ビーア・クラッセ(ds)の4人編成。彼らのサウンドはヨープのパッションに満ちたアグレッシヴなギターとクリームのシンフォニックなキーボードが叙情的かつ情熱的に荒々しく畳み掛けるシンフォニック・ロックである。息つく間もないスピーディで勢いのある展開に熱く燃えたぎるパッションと高揚感溢れる叙情美が次から次へと沸き立ち複雑に絡み合う。それでいてどこか人懐っこい感覚と余裕を感じさせる洗練されたクールな雰囲気は彼らの持つオリジナリティだろう。簡単に言えばイエス(Yes)やキャメル(Camel)にフォーカスを掛け合わせたかのようなサウンドに近い。

 75年の『グローリー・オヴ・ザ・インナー・フォース』は4曲の名曲からなり、熱いパッションを感じさせるテクニカルながらもメロディアスで時に泣きむせぶヨープのギターが絶品で、オルガンやメロトロンを効果的に用いたシンフォニックでスリリングなキーボードとタイトにうねるリズム・セクションがしっかりとサポートしている。彼らの作品中もっとも荒っぽさを感じさせるが、そのスリリングな豪快さが魅力的だ。シングルのみの名曲「アポロ神の巨像」も収録。

 76年の『ビヨンド・エクスプレッション』ではさらに大作指向が強まり、3曲のみとなり20分の大曲でスタートする。めくるめく叙情とパッションの波に翻弄されるシンフォ傑作だ。ロマンティックな側面も強くなり、勢いのみならず構成力と押し引きの巧さを活用したドラマティックなものとなっている。

 77年の『ガレオンズ・オブ・パッション』ではキーボードとドラムスが交代し、よりメロディアスな叙情性と構築性を重視した落ち着いた作風へと変化している。シンセの多用などクロスオーバー色もみられるが、バランスのとれた傑作だ。

 サードのデモ曲に関しては、アルバム曲は『ガレオンズ~』にも収録されたが、さらに未収のデモを3曲(99年リリースの『Stage ’76 Making Of…Galleons Of Passion』に収録)追加している。ライヴ曲は、75年のものは先頃リリースされたアナログ盤『Vita Domnica』と国内独自編集のライヴ盤『パッション・オン・ザ・ステージ』に収録されている。76年のライヴ曲は同ライヴ盤に収録されている。[祖父尼 淳/SD160]