2013年1月19日

ソリューションの入手困難だった初期4作と 未発表ライヴを収めた3枚組CDが登場

ソリューション『ミソロジー』

ソリューション『ミソロジー』
SOLUTION『Mythorogy』

 フォーカス(Focus)やカヤック(Kayak)などと共にオランダを代表するグループという評価を与えられながら、その音源がずっと入手困難だったこともあって、わが国では今イチ評価の定まらなかったグループの最右翼といえばソリューションということになる。近時になってフォーカスの名盤『ムーヴィング・ウェイヴス』に曲を提供するなど、兄弟バンド的に活動していたという新たな情報も出て、再評価の機運も高まってきた中で今回、入手困難だった初期4作をリマスターしたうえで、未発表ライヴなども収めた3枚組のCDが登場。これでようやく彼らの全貌が把握できるようになり、研究資料としても見逃せない作品となっている。

 ファーストの『ソリューション』(71年)とセカンドの『ディヴァージェンス』(72年)はこれに先立って単独でリイシューされているが、あとで触れる2作も含めてすべてに71年の未発表ライヴ音源6曲とシングル・ヴァージョン5曲が追加されている。ソリューションの特徴はその編成で、もともと管楽器奏者とキーボード奏者が中心になって結成されたので、スタイルとしてはギターレというのがポイント。当然リードはフルートやサックスなどが担うわけだが、スペーシーなエレピやカンタベリー・タッチのオルガンなどもフィーチャーすることで、全体に渦巻くような熱気を生んでいるのが魅力といえるだろう。とくに初期2作についてはこうしたカラーが顕著で、追加された10分超えのライヴ「Jam」では完全にカンタベリー色に染め上げられたジャズ・ロックを展開している。ギターを念頭においたような歪んだオルガンの音色がとりわけ胸を熱くさせる。

 ヒプノシス(Hipgnosis)がジャケットを担当したサードの『コルドン・ブルー』(75年)とDJMから出され当時国内盤アナログも出た4作目『フリー・インターロッキング』(77年)になると方向性に変化がみられるようになり、洗練されたクロスオーヴァー風味のジャズ・ロック、ジェントルな歌声をフィーチャーしたポップ・ロック的ニュアンスが強まる。とくに後者では大陸的なクールな表情が無国籍風のサウンドと相まってインターナショナルな感覚を引き出しているのに注目したい。『コルドン~』はいってみれば前期と後期のブリッジ的作品で、適度にプログレッシヴなシンフォ性などもとどめながら、ハートフルで叙情的なメロディ核にして独特のスケール感を表出させており、ソリューションの最高傑作という声も高い。制作はガス・ダッジョン。こうして通して聴く特別な飛び道具や派手さがあるわけじゃない。が、持ち味のメロディを武器に常にエモーションを失わず真摯に自分たちの音楽と向き合った清々しさで満たされていることに感動するのだ。[廣川 裕/SD160]