2013年8月1日

高橋幸宏が新バンドとともにルーツと正直に向かいあいながら作り上げた、4年ぶりのニュー・アルバム!

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高橋幸宏『Life Anew』
◎“還暦イヤー”を迎えた幸宏氏だが、音楽に対する情熱はまったく不変、いやさらに高まっているようだ。この4年ぶりとなるニュー・アルバムのレコーディングではなんと新しいバンドを立ち上げて、その彼らとともにバンド・スタイルとして録音を敢行するという、長いキャリアのなかでも初めて(意外ではあるけれど)の試みを実現させてしまった。“In Phase”と名付けられたこのバンドを構成するのはジェームス・イハ(James Iha)、高桑圭(Curly Giraffe)、そしてpupaのメンバーでもある堀江博久、ゴンドウトモヒコという面々。

アルバムには12曲が収録されているが、これもバンドを意識してか、コンポーザーには幸宏氏以外にCurly Girrafe、イハ、堀江、ゴンドウとすべてのメンバーが関わっている。(作詞ではレオ今井も参加)もちろん全体のカラーや方向性のディレクションは幸宏氏中心に行なわれただろうが、結果的に従来作以上にナチュラルな清涼感と風通しのよさがあるのが印象的だ。

pupaやSKETCH SHOWで追及してきたエレクトロニカ路線はひとまず置き、自らの音楽的ルーツと素直に向き合って紡がれたようななんともリラクシンなロック/ポップ・サウンドが奏でられているのである。強いて言えばイハが作詞・作曲した「Shadow」と続くゴンドウ作曲のエキゾな「Ghost Behind My Back」あたりのほのかにダークな趣は最近作を思わせなくもないが、これもチェンジ・オブ・ペース以外の意味はないように思う。今回バンドとしての一体感を醸成するためにどれくらい時間を費やしたのかはわからないが、どのナンバーを取り出してみても、アレンジは最少にとどめつつ、曲が成立するために最大の効果を上げる絶妙な処理が施されていて、何回繰り返して聞いても飽きないのはすごいことだ。このあたりのセンスはさすが幸宏氏と脱帽するほかないのだが、今回いまさらながらに感動したのは歌声の魅力。技術を超越したところでもたらせられる説得力と味わいというものが音楽には必要なのだということを実感させてくれる。

細野さんの新作『Heavenly Music』でも感じたことなのだが、年齢を重ねることで初めて鳴らすことができる自分らしい、自分ならではの音楽というのものが近年ここまで心に沁みたことはない。これからもずっとロックしてほしい。老婆心ながら。[廣川 裕/SD164]

高橋幸宏 – All That We Know(Official)
http://www.emimusic.jp/artist/takahashi/

Official: http://www.room66plus.com/