2013年9月28日

ドリーム・シアター、通算12作目の最新アルバムをリリース!:メタルやプログレというくびきから逃れ、新ドラマーとともに到達したジャンルを超越する傑作!

◎ドリーム・シアター(Dream Theater)はプログレッシヴ・ロックか、それともメロディアスなヘヴィ・メタルか? というトピックが定期的にネット上で巻き起こっているようであるが、本作はそんな不毛な議論に終止符を打つものとなるだろう。バンドのヘヴィネス路線の推進派と目されていたマイク・ポートノイ(Mike Portnoy/ドラムス)脱退のアクシデントを乗り越えて制作された前作『ア・ドラマティック・ターン・オブ・イヴェンツ(A Dramatic Turn Of Events)』は、それでもまだメタル指向が濃厚だったが、新加入ドラマーのマイク・マンジーニ(Mike Mangini)が楽曲の制作段階から参加した本作は、バンドがデビュー当時から追求してきたドラマティックなプログレッシヴ・ロックとヘヴィ・メタルのダイナミズムとを見事に昇華したアルバムに仕上がっているのだ。もちろん、従来のバンドが得意としていたストレート・アヘッドなメロディアス・ハード・ナンバーもアルバム中間部に配置されているし、楽器少年の心を奮い立たせる高速ユニゾンのインスト・パートも充実しているのだが(とくにマンジーニの正確無比かつセンシティヴなツイン・バス・ドラム連打は至芸といえるものである)、本作のメインはストリングス・セクションを大幅に起用した5部構成22分の大曲「イルミネイション・セオリー(Illumination Theory)」にある。静と動のパートを対比させつつ緩急自在に楽曲を盛り上げ最終楽章のカタルシスに到達するという巧みな構成力は、もはや彼らがプログレやメタルといったジャンルを超越した域に達したことを高らかに宣言するものであるからだ。

“この最新作は俺達にとって初めて、自らのバンド名をアルバム・タイトルに冠した作品なんだけど、音楽的そして創造的な俺達というアイデンティティをこれ以上強力に宣言する方法はないと思っているよ。壮大かつ激しいサウンド、そして雰囲気のある映画的なサウンドといった、俺達を唯一無二の存在としてくれているすべての要素を、今まで以上に切り開いた作品だ”と、ジョン・ペトルーシ(John Petrucci/ギター)はプレス資料で自信たっぷりに語っている。そう、彼らは卓越した作曲能力と超人的な演奏技術に加え、美麗なオーケストレーションも駆使してドリーム・シアター史上最高というべきアルバムを作り上げたのだ。シンプルにバンド名を冠したアルバム・タイトルは、彼らの自信の表出に他ならない。[鬼形 智/SD168]

Dream Theater – The Enemy Inside (Lyric Video)

Official: http://www.dreamtheater.net/