2013年10月19日

21世紀における、オランダ・メロディアス・シンフォニック・ロックの最高峰トリオン(Trion)がなんと6年ぶりとなる新作とともに突如復活を果たした!

トリオン『ファンフェア―・ファンタジー』
◎21世紀のメロディアス・シンフォニック・ロックの最高峰としてあげられことが多いのが、このオランダのトリオン(Trion)だろう。2003年の衝撃的なデビュー作『トータス(Tortoise)』は発売当時、多くのシンフォ・ファンを魅了したが、発売とともにすぐ廃盤となってしまい、長らく再発が待たれていた21世紀シンフォを代表する名盤である。そして2007年には同傾向の傑作『Pilgrim』をリリースする(この作品も新装再発して欲しいところだ)。その後の継続した活動が期待されていたが、トリオンとしての活動は途絶えていた。ところが、今年に入り、なんと6年ぶりとなる新作『ファンフェアー・ファンタジー(Funfair Fantasy)』(※右上写真)とともに突如、復活を果たしたのである。

トリオンは、フランボロー・ヘッド(Flamborough Head)のキーボーディストであるエド・スパンニンガ(Edo Spanninga)を中心にフランボロー・ヘッド/リープ・デイ(Leap Day)のギタリスト、エディ・ムルダー(Eddie Mulder)とオディッシス(Odyssice)のドラマー、メンノ・ブームスマ(Menno Boomsma)によって70年代のシンフォ・プログレッシヴ・ロック・サウンドを制作することを目指して結成されている。バンド名はトリオとメロトロンをもじって付けられている。そのことからも分かるように彼らの音楽性は、なんといってもひたすらハートウォームな叙情的なメロディとメロトロン(サンプリング)のアンサンブルを追求していることだ。キャメルやジェネシスのファンタジックな叙情性と浪漫のみを抽出してきたかのようなたおやかなシンフォニック・プログレを奏でる。決してテクニックや構築美で畳み掛けるようなものではないが、どこまでも続くたおやかな泣きのつづれ織りに涙してしまうだろう。このアルバムには幸福感に満ち溢れていて、リスナーを夢とファンタジーに溢れた幻想世界へと誘ってくれる。このデビュー作には、フィンランドのプログレ雑誌、コロッススが企画したコンピ作品からの2曲をボーナス・トラックとして収録している。新作となる『ファンフェアー・ファンタジー』だが、期待を裏切らない極上のメロディアス・シンフォニック・ロックが繰り広げられている。これまで同様、メロトロンの壮大でファンタジックなサウンドと叙情的なメロディのつづれ織りは言うまでもないが、これまで以上にキーボードが多彩かつ楽曲もヴァラエティに富んだものとなっている。彼らは70年代サウンドを指向していたが、新作では21世紀のシンフォ的な側面も感じさせるものとなっている。今年を代表するシンフォニック・ロックの傑作となっている。やはりこのバンドが奏でるメロディ・ラインとその醸し出す雰囲気はヨーロッパの哀愁と気品を感じさせてくれる。現在、70年代にキャメル(camel)とジェネシス(Genesis)が追求したファンタジーの世界を表現するのに最も理想的なバンドであろう。[祖父尼 淳/SD168]

Trion – Funfair Fantasy – trailer 2013

Official: http://www.flamboroughhead.nl/Trion/home.htm