2013年10月23日

ヒプノシスによる鮮烈なジャケットでも知られる“クォーターマス”唯一作が新規リマスター、およびDVD(5・1chサラウンド・サウンド)付きエクスパンデッド・ヴァージョンでリイシューされた!

『クォーターマス: CD+DVDエキスパンデッド・エディション』
◎ヒプノシス(Hipgnosis)によるあまりに鮮烈なジャケットの印象もあって、これまでも何度となく再発されてきたクォーターマス唯一のアルバムだが、単に見映えがいいだけじゃなく、内容的にも名作といえる内実を備えていたからこそ、再発に耐えてきたとはいえる。じっさい英国プログレ/ハード・ロックを語る際には決して避けて通ることのできない傑作だろう。

このたびは新規リマスター、およびDVD付きというエクスパンデッド・ヴァージョンでのリイシューとあって、注目度も高くなっている。クォーターマス(Quatermass)は元ビッグ・スリー(Big Three)でのちにイアン・ギラン・バンド(Ian Gillan Band)でも活躍するベーシストのジョン・ガスタフソン(John Gustafson)が、元エピソード・シックス(Episode Six)、ギラン(Gillan)のミック・アンダーウッド(Mick Underwood/Ds)、ブランドX(Brand X)やフィル・コリンズ(Phil Collins)のバンドなどで活躍するピーター・ロビンソン(Peter Robinson/Key)と組んだトリオで、先に触れたようにこの『クォーターマス』(70年/※右上写真)が唯一作。ディスク1には本編のナンバーとアルバム未収録のシングル曲「One Blind Mice」、さらに70年のレコーディング・セッションにおける未発表曲「I’m Afraid Not」、74年の未発表ライヴ音源の「Bluegaloo / Broken Chords / Scales」を追加収録。さらに強力な内容にアップグレイドしている。またディスク2のDVDには本編と先の「One Blind Mice」の5・1サラウンド音源をそれぞれ収録してある。いずれもトリオとは信じがたいテクニカルにしてハード、そしてアカデミックな彼らの音楽性の魅力が存分に堪能できるコンテンツといっていい。メンバーのピーター・ロビンソンがDVDの5・1ch用ニュー・ミックスのマスターを担当しているのも注目だろう。

今回はさらにガスタフソンとロビンソンがクォーターマス解散後にレコーディングしていた幻のアヴァン・ロック/ジャズ・プロジェクト、スフィンクター・アンサンブル(Sphincter Ensemble)による72年の未発表作が発掘され、これも世界初CD化された。『ハローディアン・イヴェント#1(Harrodian Event #1)』(※下段写真)がそれで、録音にはエルトン・ジョン(Elton John)の初期作品の重要スタッフでもあった、アレンジャーのポール・バックマスター(Paul Buckmaster/チェロ)、ペドラーズやクオンタム・ジャンプなど60~70年代英ロックの渋いバンドを経たベーシストのトレヴァー・モライス(Trevor Morais)、ビートルズからキャメルまで手がけた英を代表するアレンジャーのマーティン・フォード(Martyn Ford)、ショパン(Chopyn)のアン・オデル(Ann Odell)ら錚々たるセッション・ミュージシャンが参加しているもので、同名の音楽イヴェント用作品として制作された。全9パートからなる内容は、当時としてはかなり実験的で、現代音楽やフリージャズ的な展開もある。英ロックの貴重な歴史の記録なのはまちがいない。[廣川 裕/SD168]

CD: SPHINCTER ENSEMBLE『Harrodian Event #1』DUPG-167

http://www.cherryred.co.uk/shopexd.asp?id=4206
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