2013年12月29日

70年代、英国アフロ・ジャズ・ロック・シーン重要バンドのひとつ、“ゼブラ”のファーストとセカンドがリイシューされた!

◎70年代イギリスのロック・シーンにおけるトピックのひとつとして見落とせないのが、いわゆるアフロ・ロック、もしくはアフロ・ジャズ・ロックのムーヴメント。背景には60年代にアフリカ(とくに南アフリカ)から自由な演奏環境を求めて、多くのミュージシャンが渡英。結果としてブリティッシュ・ジャズ・シーンにアフロの血が導入され、独自のカラーをもったブリティッシュ・ジャズを排出したという経緯があるのはまちがいない。これを受けて台頭したアフロ・ロック。代表的なバンドにはドゥドゥ・プクワナ(Dudu Pukwana)が結成したアサガイ(Assagai)、西インド諸島出身者により結成されたオシビサ(Osibisa)、ドーン(Dawn)・レーベルのノアール(NOIR)、さらにジンジャー・ベイカーズ・エアフォース(Ginger Baker’s Air Force)などがいるが、オシビサを抜けたラフティ・アマロ(Loughty Amao)が元イフ(If)のサックス奏者デイヴ・クインシー(Dave Quincey)、同じくギターのテリー・スミス(Terry Smith)らと新たに結成したゼブラ(Zzebra)もそのうちのひとつだ。このたびそのゼブラの最初の2作が紙ジャケット化された。英ロック・ファンも見過ごしがちなところではあるが、メンバー構成も含め、音楽的にもかなり興味深い成果を上げている彼らを、この機にしっかり認識しておきたい。

『ゼブラ誕生(Zzebra)』(※右上写真)はその名の通り、1973年にポリドールからリリースされたファースト・アルバム。メンバーには先の3人に加え、元エラスティック・バンド(The Elastic Band)のガス・イードン(Gus Eadon)、のちにギラン(Gillan)に加入するジョン・マッコイ(John McCoy)らがいる。アフロ・ロックというよりはパーカッションを導入したジャズ・ロックといったニュアンスが強いが、演奏自体キャリアのある連中だけにサウンドの展開は自在で、かなりスリリングな展開もみられる。クインシーを核としたブラス勢の活躍にも注目しておきたいが、それらの語法はジャズというよりはやはりロック的といっていいだろう。ショーン・コネリー主演の珍SF映画『未来惑星ザルドス』の主題歌を含むボーナス・トラックを追加収録してある。

ファースト・リリース後、スミスが脱退。代わりに元リフ・ラフ(Riff Raff)のトミー・アイアー(Tommy Eyre)が加入。さらに専任ヴォーカリストとしてアラン・マーシャル(Alan Marshall)を加え、7人組にパワー・アップして発表されたのがセカンド・アルバムの『パニック(Panic)』(74年/※下段写真)。ブラスの咆哮やアレンジなど、明らかにイフのスタイルを踏襲しているが、アフロ音楽のビートなども無理なく取り込み、前作と比べるとかなり洗練されたサウンドを聞かせる。レズリー・ダンカン(Lesley Duncan)らゲスト・ヴォーカルの加わるナンバーはメロウと表現したい風情を湛えているのが特徴。ジェフ・ベック(Jeff Beck)がゲスト参加したナンバー含むボートラが3曲追加されている。[廣川 裕/SD170]

CD:『パニック(Panic)』AIRAC-1717

http://www.airmailrecordings.com/newrelease/newrelease2.html