2014年1月10日

ラッシュ“Rush”の最新作『クロックワーク・エンジェルズ』に伴うライヴ音源を収録した、最新ライヴ・アルバムが登場!

ラッシュ『クロックワーク・エンジェルズ・ツアー』
◎ゼロ年代以降、ニュー・アルバム・リリース→ツアー→ライヴ・アルバム・リリースというローテーションが確立されているラッシュ。ここ日本にいてはなかなか目にすることがむずかしい各ツアーの模様を確認できるのはうれしいところ(もちろんそのたびに日本へツアーしに来てくれたら最高なんだけど、状況はむずかしいよう)。

今回の“Clockwork Angels Tour”でもっとも注目されるのはラッシュ(Rush)史上初めてとなるストリングス・セクション(ヴァイリン7名、チェロ2名)を帯同していること。ツアー自体は昨年後半から今夏にかけて行なわれたが、そのうち、昨年11月にテキサス州ダラスで開催された公演の模様を収録したのが本作である。

先に触れたようにラッシュにとって、新機軸となった同ツアー、後半に配置された件のニュー・アルバムからのナンバーにおいてストリングスの導入効果が最大限に発揮されているのはたしかで、重厚なバンド・サウンドと壮麗なストリングスの音色が相乗することにより、よりスケールアップした音像を描き出すことに成功している。また、しばらくステージでは演奏されなかった「Grand Designs」や「Middletown Dreams」が披露されているのも熱心なファンなら見逃せないところだろう。いつも通り2時間にも及ぶこんな演奏を現在も継続し続けているのだから改めてとてつもないトリオだと実感させられる。3人とも還暦を過ぎたというのにパフォーマンスのエネルギッシュなことといったらないが、とくにニール・パート(Neil Peart)はドラム・ソロが3回もあるのだから驚異的というしかない。さすがにゲディ・リー(Geddy Lee)のヴォーカルは高音部がきつくなってきている観はあるものの、ベースからシンセへの持ち替えなど、相変わらず信じられないほどテクニカルだ。アレックス・ライフソン(Alex Lifeson)のギターはいってみればいぶし銀の光沢だろうか。ヌラリと妖刀のごとき切れ味でアンサンブル全体を引き締めている。

通して聴くといまも進歩を止めぬラッシュというグループのケタ外れの創造性に舌を巻くのはまちがいなく、3人+ストリングスの総力戦を堪能すべきフィジカルな魅力に富んだ作品ということができる。こうなれば来日嘆願書でも集めてプロモーターにでも持ちこむしかないか。[廣川 裕/SD171]

Rush – Clockwork Angels Tour – The Garden

Official: http://www.rush.com/