2014年1月31日

グリニッチ・ヴィレッジ・フォーク・シーンで活躍したジェイク・ジェイコブスが70年に結成したグループのファースト!

ジェイク&ザ・ファミリー・ジュエルズ『ジェイク&ザ・ファミリー・ジュエルズ』
◎60年代半ばのNYのグリニッチ・ヴィレッジで、ピーター・ゴールウェイ(Peter Gallway)が在籍したザ・ストレンジャーズ(The Strangers)と並ぶ、フォーク・ロックの伝説的バンドがザ・マジシャンズ(The Magicians)だ。そのザ・マジシャンズを経て、インド系黒人女性シンガーのバンキー・スキナー(Bunky Skinner)とのフォーク・デュオ、バンキー&ジェイク(Bunky And Jake/※下段写真)で2枚のアルバムを発表したジェイク・ジェイコブス(Allan “Jake” Jacobs)が1970年に結成したのが、ジェイク&ザ・ファミリー・ジュエルズ(Jake And The Family Jewels)である。

グリニッチ・ヴィレッジの先輩格にあたるラヴィン・スプーンフル(The Lovin’ Spoonful)のグッドタイム・ミュージックの要素を引き継ぎながら、どことなくB級感を漂わせるチープな佇まいが魅力だ。ロックンロールから、フォーク、ブルース、ドゥーワップ、トロピカル・テイストまで呑み込んだごった煮的なサウンドは、NRBQにも通じるものがある。実際にNRBQのメンバーもファンだったようで、自らのレーベル“Red Rooster”からジェイクのシングルをリリースしている。

1971年にリリースされた『ジェイク&ザ・ファミリー・ジュエルズ』(※右上写真)は、ニューオーリンズ・タッチのコロコロ転がるピアノに、ドゥーワップ風コーラスを加え、トロピカル・タッチのパーカッションでアクセントを付けたロックンロール「アイ・リメンバー・シシィ・ベイビー」で幕を開ける。1曲目からごった煮具合がわかってもらえると思うが、こんな調子で、グルーヴィーで小粋でルーツィーなグッド・ミュージックが並ぶ。3曲目のインスト「マザー・オブ・パール」などは、ライ・クーダーをよりのどかにした感じだし、適度なヒップ感覚は、カントリー・スタンダードの「テネシー・スタッド」などで味わえる。英パブ・ロックのファンからダン・ヒックスなどのアコースティック・スウィング系のファンまで楽しめる最高の1枚であり、ディラン・ファンには「オープン・ザ・ドアー・ホーマー」のナイス・カヴァーが待っている。元フィフス・アヴェニュー・バンド(The Fifth Avenue Band)のジェリー・バーナム(Jerry Burnham)やジョン・リンド(Jon Lind)も参加している。和めるコーラスは、フィフス・アヴェニューやケニー・ヴァンスあたりと共通する素晴らしさ。

ジェイク・ウィズ~(Jake With The Family Jewels)名義になった1972年の2作目『ビッグ・ムース・コールズ・ヒズ・ベイビー・スウィート・ローレイン』(※下段写真)は、前作での枯れたスワンプ風味が若干薄れ、ジャケットのようにトロピカルな雰囲気に包まれた、ウキウキしてくる楽曲が満載だ。「レイク・ルイーズ」や「ペントハウス」などの“ほのぼの感”は、ランディ・ニューマンにも近い感じがする。テックスメックスっぽいR&Bにニューオーリンズ・ジャズ風のホーンが絡む「ダウン・オン・マイ・ニー」のかっこ良さは、ダグ・サーム級だ。[遠藤哲夫/SD171]

LP: BUNKY AND JAKE『Bunky And Jake』Mercury / SR 61142 (1968年)/
CD: JAKE WITH THE FAMILY JEWELS『The Big Moose Calls His Baby Sweet Lorraine』VSCD-5134[紙]/ 2013年12月25日(org.1972年)

Official: http://jakeandthefamilyjewels.com/