2014年2月2日

ロックにまつわる“伝説”の裏側や新事実から、英国ロックの創世と発展を劇的に描いた研究本『ブリティッシュ・ロックの真実』

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◎いわゆる“ブリティッシュ・ロックの研究本”に類される一冊ではあるが、タイトルにあるようにこれまで定説とされてきた様々な伝説やエピソードに、新たな角度からの視点で考察を加えているのが本書の魅力。たとえば“リヴァプールはイギリスではなかった”とか、異形としてのロックンローラー/ブームを再試論した“ア・ワッ・ワッパ・ルーマッパ・ワッバーム・ブーム”とか章立てのタイトルの魅力に導かれて読み進めると、ブリティッシュ・ロックの誕生から成長、さらに過渡期、動向などが自然と浮かび上がってくる。筆者はビートルズ(The Beatles)解散とともにロック史に刻まれた“1970年の奇跡”がどのように準備されたかをビートルスやストーンズ(The Rolling Stones)、レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)といったアイコンを指標に解き明かしていくのだが、その語り口の平明なこともあって、あたかも時代のシーンを追体験するようなドキュメント性も備えているのがポイントといえる。

※以下メーカー・インフォより
[目次]

  • まえがき
  • 第1章:リヴァプールはイギリスではなかった
    歴史はつくられる/新しい世代の音楽/ポール・マッカートニーが聴いていた音楽/定説の死角/リヴァプールはイギリスではなかった
  • 第2章:夜明け前のイギリス・ポップス事情
    洋楽の国の「洋楽」受容/劣化コピーの時代/クリフ・リチャードと海賊団/カヴァーにみるイギリス性/バンド・ブームの原点/先駆者の影
  • 第3章:「ア・ワッ・ワッパ・ルーマッパ・ワッバーム・ブーム」
    異形としてのロックンローラー/ロング・トール・サリー/「ア・ワッ・ワッパ・ルーマッパ・ワッバーム・ブーム」/新しい言語と文体の登場/「ゴー、ジョニー、ゴー、ゴー」/エルヴィス・プレスリーの重量/分断されたブラック・ミュージック/ブラック・ミュージック不毛の地
  • 第4章:ブリティッシュ・ロック/ブルースはジャズから始まった
    ルーツを探る/ジャズを最大分母にもつ音楽/ジャック・ブルースの場合/ジンジャー・ベイカーの場合
  • 第5章:エレクトリック・ブルースの衝撃
    ドラマーのいない町からの侵攻/アメリカが「洋楽」を知るとき/エレクトリック・ブルースの衝撃/空洞の実体
  • 第6章:誤読からの出発
    「空洞」を埋めたもの/体現者1 エリック・クラプトン/クラプトンと「本物のブルース」/ブルース初心者としてのクラプトン/体現者2 ブライアン・ジョーンズ/ローリング・ストーンズにとってのブルース/ブルースを飲み込むブリティッシュ・ロック
  • 第7章:ロンドンの逆襲
    イギリス人の選択/主張するモッド&モッズ/モダン・ジャズからリズム&ブルースそしてブルースへ/くたばれビートルズ!
  • 第8章:3D時代の到来
    分岐点としてのジミ・ヘンドリックス/新造語「サイケデリック」/3D時代の到来/ゼア・サタニック・マジェスティーズ・リクエスト/モンタレーの出来事
  • 第9章:ブリティッシュ・ハード・ロックへの最短距離
    加速する器楽=ブリティッシュ・ロック/ヤードバーズの意味/ブリティッシュ・ロックの縮図/アンダーグラウンドの王者/ロック・ヴォーカルの限界と可能性/ブリティッシュ・ハード・ロックへの最短距離/くり返す「歴史はつくられる」
  • 第10章:オール・シングス・マスト・パス
    2枚の踏み絵/ジョージ・ハリスンの発見/ザ・バンドの何がロックの歴史を変えたのか/第二の啓示=デラニー&ボニー/エリック・クラプトンの挫折/ホワイト・ブルースの理想郷/国境を超えたロック史の始まり/ボビー・ホイットロック=キーボード奏者の台頭/1970年の奇跡
  • 終章(あとがきにかえて)

著者:中山 康樹 (ナカヤマ ヤスキ)
1952年大阪府生まれ。『スイング・ジャーナル』編集長を務め音楽評論家となる。著書に『マイルスを聴け!』『ジャズメンとの約束』訳書に『マイルス・デイビス自叙伝』などがある。