2014年2月6日

“ニール・ヤング(Neil Young)”が乗りに乗りまくっていた時期の選曲、演奏ともに素晴らしいライヴ・アーカイヴ!

ニール・ヤング『ライヴ・アット・ザ・セラー・ドア』
◎単体としては6弾目となる“アーカイヴ・シリーズ”の新作は名盤『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ(After The Gold Rush)』発表直後の1970年11月から行なわれたソロ・ツアーからワシントンDCにあったクラブ、セラー・ドアでの3日間、計6回のステージからセレクトされた。この前後で『シュガー・マウンテン・ライヴ・アット・カンタベリー・ハウス1968(Sugar Mountain Live At Canterbury House 1968)』や『ライヴ・アット・マッセイ・ホール1971(Live At Massey Hall)』が出されているが、これはとにかく選曲が素晴らしい。

中心となっているのは発売直後の『アフター~』の曲だし「シナモン・ガール」や「ダウン・バイ・ザ・リヴァー」などの代表曲に加えバッファロー・スプリングフィールド(Buffalo Springfield)時代の「エクスペクティング・トゥ・フライ」「アイ・アム・ア・チャイルド」「僕のそばに居ておくれ(Flying On The Ground Is Wrong)」あたりは嬉しい。とくに「僕のそばに居ておくれ」はバッファローではリッチー・フューレイ(Richie Furay)が歌ってただけに、その曲にかけるニールの思いが乗り移り深い余韻を残す。

この年のニールは多忙を極めていてCSN&Y(Crosby, Stills, Nash & Young)でのヨーロッパ・ツアーに始まり、2~3月はクレイジー・ホース(Crazy Horse)と北米ツアー、3月には『アフター~』のレコーディング、5月からはCSN&Yで名ライヴ盤『4ウェイ・ストリート(4 Way Street)』が録られる北米ツアーに出るわけだが、その途中で反戦デモで学生が射殺された事件に対して「オハイオ(Ohio)」を急遽、録音/発売、さらに9月に『アフター~』の発売と、忙しいながらも最高にノッている時期でもある。

それがストレートにここでのステージには反映している。ギターかピアノの弾き語りで進められるが、どちらも非常に情感豊かな歌声を鮮やかに彩っていく。当時25歳のニールの歌声は瑞々しく、楽曲の繊細なニュアンスのすみずみまでを描き出す。確かに最近のソロ・ライヴも人生を投影して素晴らしいのだが、この頃の歌うこと、弾くことの一つひとつに本人が感動している精神の躍動と昂揚が持つ魅力と輝きは特別だ。しかももうすぐ正式発表となるニールの推進するPono(高音質音声ファイル・フォーマット)とも関連するのか、これまでのアーカイヴ以上に音質が素晴らしい。まさに目の前でニールが歌っているのだ。ファン待望の、一番聴きたかったときのニール・ライヴがここにある。[大鷹俊一/SD172]

Neil Young: Cinnamon Girl – Live At The Cellar Door

Official:
http://www.neilyoung.com/
http://www.csny.com/