2014年3月16日

ムーンライダーズ・アーカイヴ・シリーズの第9弾がリリースされた!

ムーンライダーズMoonriders Live At FM TOKYO HALL 1986.6.16』
◎ムーンライダーズ(Moonriders)毎年恒例のアーカイヴ・シリーズの第9弾がリリースされた。これまでファンの間では“伝説”として語り継がれている1986年の6月から7月にかけて実施された10周年記念のライヴ・ツアーから、半蔵門のFM東京ホールで行なわれた公演を収録した『Moonriders Live At FM TOKYO HALL 1986.6.16』だ。同公演は3時間以上におよび、はちみつぱい時代から当時の最新作『アニマル・インデックス』までの全アルバムの代表曲を演奏したもので、一部はライヴ作『ワースト・オブ・ムーンライダーズ』に収録されていたが、多くの音源がいままで未発表となっていたものだ。ぼくは幸運にもこのライヴを体験することができたのだが、その濃厚な時間はいまも脳裏に刻まれているし、その際購入した赤いバンダナスカーフとスウェット、キャップはいまも大切に保管している。

そんな与太話はともかく、ぼくが改めて感じたのは当時のムーンライダーズがいかに攻めの姿勢を貫いていたかという事実。演奏自体のテンションが高いのはもちろん、鈴木慶一さんのヴォーカルもなんだか鬼気迫るくらい迫力ある。見方はいろいろとあるだろうが、ムーンライダーズにとってこの頃がひとつのピークだったということはたしかなのではないか。演奏ナンバーもキャリアを辿るようにほぼ時系列的に並べられているので、バンドとしていかに進化・深化したのかがつぶさに確認できるのもポイントだろう。とくに『ヌーベル・バーグ』『モダーン・ミュージック』『カメラ=万年筆』といった時期のナンバーはいま聞いても斬新そのもので、まったく新鮮さを失っていないのがすごい。スカートやカメラ=万年筆、シャムキャッツといった東京の新しいアーティストたちがこぞってムーンライダーズの影響を語るのも当然だな、と再認識した次第。そう、東京ローカル・ロッカーズの開拓者という観点からもう一度ムーンライダーズをとらえなおす必要はありそう。いつかチャレンジしてみたい。

同ツアーからはこれまた伝説的な映像作品だった『The Worst Visualizer』(※下段写真)も今回めでたくDVD化された。元はメトロトロン・フィルムからVHS/ベータ・フォーマットで発売されていたもので、恵比寿ファクトリーでの公演の模様を収めている。キャリアを網羅した3時間の演奏から慶一氏自身が切り取ったトピックといえる10曲を収録。ほぼ360度の客席に囲まれながら代表曲を演奏していくのだが、「塀の上で」でスタートするのはちょっと意外だった。メンバーのソロもフィーチャーしているが、過日亡くなったかしぶち哲郎の「S・E・X」のセンチメンタルさにホロリとしてしまった。[廣川 裕/SD173]

 

DVD:『Worst Visualizer』XPBA-1009 ※2014年1月29日同時発売

Official Website: http://www.moonriders.net/
Official facebook: https://www.facebook.com/MoonridersRecords