2014年3月28日

佐野元春がプロデュースした、佐野元春&雪村いづみの共演作と雪村いづみオールタイム・ベストアルバムがリリースされた!

◎日本のポップスの草分け的存在として知られる雪村いづみを佐野元春がプロデュースするかたちで“東京”をテーマにしてスタートしたのが“トーキョー・シック”だ。つまりトーキョー・シックとは楽曲のタイトルであり、ユニットの名前であり、また一つのコンセプトを表すために使用される記号のようなものと考えてもいいだろう。それにしても、贅沢な音だ。日本のポップス/ジャズ界に多大な功績を残す大御所、前田憲男とヴェテランのジャズメンたち〈The Old Play Boy All – Stars〉によるビッグバンドがレコーディング・スタジオに集まっていっせいに音を出す。デジタルの宅録が主流となった今では考えられない行為だ。そして、エンジニアはジャズのビッグバンドを知り尽くした行方洋一。もうこれだけでどんな音が出てくるか想像がつくくらい記名性に溢れたレコーディングだ。

佐野元春&雪村いづみ名義で発表された2枚組CDアルバム『トーキョー・シック』(※右上写真)は“トーキョー・シック”の一連の楽曲と映像を収録した作品だ。ディスク1には、「トーキョー・シック」をはじめ、6曲(ライヴ・ヴァージョン含む)を収録しているが、佐野元春ファンには新録された「こんな素敵な日には」と「Bye Bye Handy Love」のビッグバンド・ヴァージョンが嬉しい。ディスク2はレコーディングの模様を撮影したドキュメント映像とミュージック・クリップ、さらに、東京・六本木のBillboardLive Tokyo で行なわれたライヴを収録した映像も収録されている。

『スーパー・シック 雪村いづみ』(※下段写真)は、佐野元春とのコンビで素晴らしきジャズ・エイジを体験させてくれた雪村いづみの、デビュー60周年を記念した3枚のディスクからなるベスト・アルバム。ディスク1は、1953年〜60年に録音されたモノ音源の26曲、ディスク2には、62年〜2013年の間に録音されたステレオ音源の代表曲が24曲収録されている。

雪村いづみ『スーパー・シック~雪村いづみオールライム・ベストアルバム』ビクター / VIZL-604[2CD+DVD]/ 2014.2.12

驚かされるのはなんといってもディスク3のDVDに詰め込まれた貴重な映像集だ。『娘十六ジャズ祭』(54年公開)、『乾杯! 女子学生』(54年公開)『トラン・ブーラン月の光』(54年公開)などの映画で雪村いづみが歌うシーンを見ることができるのだ。さらに、「紅白歌合戦」や「想い出のメロディー」などのTV番組に出演した時の映像なども収録され、まさに、雪村いづみの60年を俯瞰する内容となっている。企画監修は佐野元春。解説・北中正和/佐藤利明、曲目解説は出口一也。

日本のポップスの源泉―雪村いづみとそのDNAを受け継ぐアーティスト―佐野元春が音楽に対して真剣に対峙した2枚の作品。これを聴かなきゃ日本のポップ・ミュージックは語れない。[岩本晃市郎/SD174]

佐野元春&雪村いづみ:トーキョー・シック

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