2013年2月10日

ついに本気でプログレと向き合った、スティーヴン・ウィルソンのソロ第3弾アルバム『レイヴンは歌わない』(日本盤)がリリースされる!

The Raven That Refused To Sing(And Other Stories)
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◎スティーヴン・ウィルソン(Steven Wilson)のソロ第3弾がリリースされる。スティーヴン・ウィルソンといえば、ポーキュパイン・トゥリー(Porcupine Tree)の一員として活躍する一方、キング・クリムゾン(King Crimson)、キャラヴァン(Caravan)、ジェスロ・タル(Jethro Tull)、 エマーソン、レイク&パーマー(Emerson, Lake & Palmer)らの名作のリマスターを手がけるエンジニアとしても知られ、まさにプログレ界を多方面から支えるアーティストだ。海外のメディアでは何度も特集が組まれ、“プログレ界の救世主”的な扱いさえ受けている。実際に彼がリマスターを手がけた作品についても、アーティストたちの評価は高く、あのロバート・フリップも彼の仕事ぶりに関しては寛容だ。すでにそうした名声を手に入れているスティーヴン・ウィルソンだが、なぜか日本における彼の評価はそれほど高くない。というよりも、往年のプログレッシヴ・ロック・ファンからは無視されているような気さえする。なぜだろうか? 思いつく理由はいくつかある。彼の音楽が、90年代的アート・ロック、ポスト・ロック的な無機質な感覚を持っていること、そして根底にはヘヴィ・メタルのビート感があることだ。サウンドで言えば、ジェネシスやイエスといった70年代的プログレッシヴ・ロックとレディオヘッド、シガー・ロス、ミューズらの打ち出すシンフォニックさの違い、ドラムスで言えば、ビル・ブルーフォード(イエス~クリムゾン)とマルコ・ミンネマンらの新世代のドラマーの叩き出すビート感の違いにある。その違いこそが、これまでスティーヴン・ウィルソンの音楽が日本のプログレ・ファンに無視されてきた要因となっているのではないかと考えている。平たく言うとスティーヴン・ウィルソン並びにポーキュパイン・トゥリーは日本ではプログレッシヴ・ロックとされていないのである(そのうえ残念ながらアート・ロックともポスト・ロックともされていない)。彼もそのことには気づいていて、無理にプログレの仲間に入ろうとしなかった。しかし、今作は違う。70年代の遺伝子を受け継いだ模範的プログレ作だ。プログレの構造と方法論においては誰よりも熟知しているスティーヴン・ウィルソン。そんな彼がこれまでになかった、プラス・アルファを見せてくれたのがこの新作だ。なんでこれを今までやらなかったのかなぁ~。往年のプログレ・ファン大満足の一枚だ。なお、プロデューサー/エンジニアでアラン・パーソンズ(Alan Parsons)が参加している。[岩本晃市郎/SD161]

Steven Wilson

Steven Wilson Official Website: http://www.swhq.co.uk/