2014年5月29日

ボブ・ディランの処女文芸作『タランチュラ』が復刊された!

◎怒涛の来日ツアーに“神ジャケ”再発と、老いてなお意気軒高という印象のボブ・ディラン(Bob Dylan)だが、いまだからこそ触れてみたい貴重な一冊が復刻された。ディランが23歳のときに世に問うた初文芸作品の本書だ。但し、執筆から発売までは時間がかかり、初めて出版されたのは1971年。日本国内では73年に片岡義男の訳で出版された。これはその復刻版ということになる。現在からみてもなかなか難解で、散文詩的な構成ひとつとっても一般の文芸作品とは相当趣を異にしている。

しかし、だからこそのディランという見方もあるわけで、本書はヘタに内容を解釈するより、奔放にそして気ままに綴られるディランのイマジネーションに翻弄されてしまうのが正解ではなかろうか。“幻の名作”という評価は横に置いてどのページでもいいから適当に開いてディランの言語センスのユニークさと鋭さを感得できればそれでいい、のだと思う。[SD176]

[目次]

  • 銃たち、罰せられざる鷹のマウスブックとギャシュキャット
  • (魔女のように要領を得ない)
  • ただのBフラットのバラッド
  • 音速障壁を破ることについて
  • フラットピックのプレリュード
  • 浮かんでいる平底商船のマリア
  • 映画スターの口の中の砂
  • 狂人のコーナーをロープで囲う
  • 著作を持たないマリアに今日はを言う
  • 馬競走
  • ポケットいっぱいの悪漢たち
  • 役立たず氏は肉体労働にわかれを告げ、レコードを吹きこむ
  • 虎の弟への忠告
  • 汚れた独房から反乱を見守ることについてあるいは(牢獄にキチンがない)
  • ブラック・ナイト・クラッシュ
  • 聖なるひび割れた声とジングル ジャングルの朝
  • カウボーイ天使ブルース
  • サブタレニアン・ホームシック・ブルースと金髪のワルツ
  • ピアノ弾きはたいへんな寄り目だったがきわめてしっかりしていた