2014年6月23日

オルタナ・ルーツ系の人気バンド、ザ・ブラック・キーズ(The Black Keys)が3年ぶりとなる新作『ターン・ブルー』をリリース!

◎このザ・ブラック・キーズ(The Black Keys)絡みでは一足先に『V.A. – Mojo Presents: The Black Keys and Friends』なるコンピレーション・アルバム(Free CD)がリリースされ、シングルの「Fever」と「Gold On The Ceiling」のスタジオ・ライヴの他に、ドクター・ジョン、ボ・ディドリーらが収録されていて、ちょっとした話題になったばかり。で、肝心の新作の方だが、今回も前作でも共同プロデュースに名を連ねているデンジャー・マウス(ほとんど準メンバーか)と組んでの制作。

この新作、彼らの前作、前々作の彼らを知ってる人にとってはちょっと面食らうかも知れない。ザラザラ、ザックリ、そしてワイルドなあの感触は後退して、総じてポップな耳触りに変わった印象を受ける。オープニング・ナンバーなどはそのスケール感に驚かされる。流麗なオーケストレーションをバックに配して、ゴスペル風女性コーラスを模したヴォーカル・パートといった構成は、何やらピンク・フロイドの「ザ・ウォール」にも通じるようなムードがある。あの叙情性に近いと感じるのは、きっと僕だけではないだろう。そしてコーダに向かってはメロディアスなツイン・ギターが延々と……。続く2曲目もファルセット・ヴォーカルをフィーチャーしてヨーロッパ産のファンクのようなテイスト。ギターのエキゾチックなリフもやけにキャッチーだ。

といった具合で、これまでのどのアルバムとも感触が異なる。先行シングルの「Fever」も一風変わった作りだが、60Sに活躍したファルヒッサのオルガンのような音色と使い方は、たぶんにあの当時のポップ・ソング的手法でもある。「Bullet In The Brain」などもどこかピンク・フロイドを思わせるし、「In Our Prime」はザ・ブラック・キーズ的解釈のブルースという風に捉えると面白いかもしれない。というわけで、これまでのオルタナ系というイメージを払拭したような作りではあるのだが、そういう既成概念を捨て去って聴いた時にはメチャクチャに面白い。ドラムの音はサイコーだし、他にこんなアプローチをするバンドがあるとは到底思えない。もはや誰も到達出来ない孤高の領域、新たな始まり、そんなアルバムだと思う。[増渕英紀/SD176]

The Black Keys – Fever [Official Video]

Official Website:
http://www.theblackkeys.com/turnblue
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