2014年7月16日

スウェーデンが輩出したプログレ・バンド、“アングラガルド(Anglagard)”のライヴ2作品がリリースされた!

『ライヴ1994:早すぎた埋葬』
『ライヴ・イン・ジャパン2013』
◎スウェーデンは70年代にも優れたプログレ・バンドを輩出したが、同国を21世紀のプログレッシヴ・ロック大国とならしめたのは、1992年リリースのアングラガルド(Anglagard)のデビュー作『ヒブリス-傲慢-(Hybris)』が発端であると見なしていいだろう。メロトロンとハモンド・オルガンを駆使するキーボーディスト、天空を駆け抜けるフレーズを連発するギタリスト、そして冷ややかでありながらリリカルな調べを奏でる専任フルート奏者を擁する6人組が、すべて10分前後の大曲を演奏したアルバムは、まだ往年の名バンド復活劇が中心だった90年代初期において、ついに新世代の本格的なプログレッシヴ・ロック・バンドが登場したということで、同時期に出現した同郷のアネクドテン(Anekdoten)と共に絶賛を浴びたのだった。

アネクドテンが世界各国のプログレ・フェスに出演し数回の来日公演も実施しているのに対し、アングラガルドの初来日公演は2013年という遅い時期に実現したのは何故だろうか。その理由は、アングラガルドが2作目『エピローグ(Epilog)』をリリース後に解散してしまったからだ。今回リリースとなるライヴ2アイテムのうち『ライヴ1994:早すぎた埋葬(Buried Alive)』(※右上写真)はロサンゼルスで行なわれたプログフェスト94における伝説的なステージを収録した作品。全編で炸裂するメロトロンが北欧特有の冷徹な情念を連想させ、静的パートからクライマックスに向かって溜めていた感情が一気に噴出する演奏はスタジオ盤以上のダイナミズムに溢れており、すでに出演時には解散を決めていたといわれる彼らの想いが伝わってくる名ライヴである。本作のオリジナルは96年リリースだが、今回は14年最新リマスター+SHM-CDで、アートワークがバンド側から提供された美麗三面紙ジャケットでの再登場となる。

時は下って2013年、前年にアルバム『天眼』をリリースして完全復活を遂げたアングラガルドは、3月にクリムゾン・プロジェクト(The Crimson Projekct)とのジョイントで日本のステージに立った。『ライヴ・イン・ジャパン2013』(※下段動画)は、メンバー・チェンジを経て5人編成となったバンドの現在形を見事に伝えてくれる作品である。筆者は公演初日を見たが、管楽器を持ち替えつつ風船まで演奏に用いたアンナ・ホルムグレン(Anna Holmgren)以外は動きも少なく地味目なステージングだったにもかかわらず、いつの間にか彼ら特有の“陰鬱な叙情性”に取り込まれていくような不思議な雰囲気のライヴだったことを覚えている。スタジオ・アルバム3枚からのベスト選曲に加え、公演では演奏されなかったサウンド・チェック音源も収録したCD2枚組ライヴ盤は、解散から約20年を経たアングラガルドの進化を確認するのに最適なアイテムであるといえるだろう。[鬼形 智/SD177]

Änglagård, Prog på Svenska – Live in Japan
『Prog Pa Svenska: Live In Japan ライヴ・イン・ジャパン2013』
ARC-3040[2SHM-CD, 紙]2014.6.11 ※同時発売

Official Website:
http://www.anglagard.net/
http://anglagardrecords.com/
Official facebook:
https://www.facebook.com/anglagardrecords