2014年9月13日

豪華ゲスト陣を迎え制作された、故ジョニー・ウィンターの続ブルース・カヴァー集『ステップ・バック~ルーツ2』!

◎2014年7月16日、ヨーロッパ・ツアーの最中にスイスはチューリッヒのホテルの自室で亡くなったジョニー・ウィンター(Johnny Winter)の遺作。いまだに2年前のブルース&ソウル・フェス@日比谷でサニー・ランドレス(Sonny Landreth)とコラボしたライヴの勇姿が忘れられない。ソロの時もそうだったが、もの凄い勢いで息つく暇もなく弾きまくる。マラソンなのに、まるで短距離走のように疾走する姿が彼らしいと思った。その時思ったのは、ジョニーはきっと決して諦めないし、リタイアなんぞというカッコつけはしないだろうということ。これからも、悪態をついて、這ってでもギターを弾きまくる筈だ。案の定、亡くなる前日はオーストリアでライヴだったというから、そのまんまだ。その往生際の悪さ、悪あがきこそがロックンロール! だからこそカッコイイ! ジョニーは正にその美学、人生道を最後まで貫き通したんだと思う。本当に、お疲れさまでした! と言いたい。

自らのブルース・ルーツを辿った前作『ルーツ(Roots)』に対し、今回はブルース、ソウル、ロックンロールなどのルーツ・ミュージック全般に範疇を拡大している。例によって今回もクラプトン、ベン・ハーパー、ブライアン・セッツアー、ジョー・ペリーなど、ゲスト陣は豪華で多彩、その組み合わせの妙が最大の聴きものであることは言うまでもない。

まずはレイ・チャールズでお馴染みのオープニングからしてゴキゲンだ。ポピュラーな楽曲だが女性バッキング・コーラスを配してあまりいじらずに正攻法で仕上ているのがイイ。バックのブルース・ブラザーズ・ホーンのヴェテランらしい技も冴えているが、年輪を重ねてしわがれたジョニーのヴォーカルが何とも味がある。ブライアン・セッツアーと組んで、ブギウギ・ピアノをフィーチャー、スウィング感溢れるインストを聴かせる「Okie Dokie Stomp」はちょっと意外な発見かも。一方、同郷のビリー・ギボンズとのコラボが聴ける「Where Can You Be」は、2人の個性の違いが際立っていて面白い。80Sにジョニーが率先してチャレンジしたのはニューオリンズ音楽へのアプローチだったが、それは今回はドクター・ジョンのピアノをフィーチャーした「Blue Monday」でたっぷり本格的に、という趣向もまた憎いところ。遺作だからというわけではないが、今回は早弾きをせずにじっくりと歌心たっぷりに弾きあげているよう。 [増渕英紀/SD179]

JOHNNY WINTER feat. BEN HARPER – “Can’t Hold Out (Talk To Me Baby)”

Official Site:
http://www.johnnywinter.net/
http://www.sonymusic.co.jp/artist/JohnnyWinter/