2014年9月28日

デヴィッド・シルヴィアン&ロバート・フリップが90年代前半に残した2作品『ザ・ファースト・デイ』『ダメージ』!

◎デヴィッド・シルヴィアンとロバート・フリップのコラボレーション・ユニット、シルビアン&フリップ(David Sylvian & Robert Fripp)が90年代前半に残した2作品が、紙ジャケット/HQCD仕様でリイシューされた。発表当時には軽く見られていたものの、実は名作であるこの2作品の再発は、実にうれしい限り。2人の出会いは80年代半ば、シルヴィアンのソロ作品のレコーディングにおけるものだったという。その後90年代に入って第5期のキング・クリムゾン(King Crimson)を始動させようとしていたフリップが、シルヴィアンに加入を申し入れ、シルヴィアンは熟考の末に断ったようだが、両者が対等な立場のユニットとして、プロジェクトがスタートする。シルヴィアン&フリップは、トレイ・ガン(Trey Gunn)を加えたリハーサルを重ね、1992年に日本でのツアーを敢行。パリとイタリアでのステージを経て、この年の12月からレコーディングを開始する。

『ザ・ファースト・デイ(The First Day)』(※右上写真)は1993年7月に発表されたシルヴィアン&フリップ唯一のスタジオ・アルバムだ。録音には2人に加え、トレイ・ガンとジェリー・マロッタ(Jerry Marotta)のリズム・セクションが参加。パーカッションやヴォーカルなどにゲスト・メンバーが加わっているが、基本的には4人による録音と考えていい。この2人による作品ということで、フリッパートロニクス系のアンビエントなものを想定していたファンにとって、フリップの攻撃的なギターを聴くことができる本作のヘヴィなロック・サウンドは予想外のものだった(もちろんアンビエント系楽曲もあるし、ヘヴィなだけではなくポップなテイストさえ漂う楽曲もある)。この作品、英国では最高21位を記録している。

『ダメージ』(※下段写真)は、シルヴィアン&フリップのワールド・ツアーの最終公演、1993年12月5日のロンドンにおけるステージのライヴ・アルバムだ。オリジナルは94年にフリップのプロデュースによる限定盤として発表されているが、今回のリイシューは2001年9月に発表されたシルヴィアンのプロデュースによるヴァージョンに基づいたもの。メンバーはシルヴィアン、フリップにトレイ・ガン、パット・マステロット(Pat Mastelotto)、マイケル・ブルック(Michael Brook)の5人。『ザ・ファースト・デイ』収録曲以外の楽曲を含め、練度を増した演奏からは、スタジオ・ヴァージョン以上のテンションが伝わってくる。シルヴィアンの新たなソロとも、クリムゾンの新機軸(実際に第5期クリムゾンにはガンとマステロットが参加する)ともとらえることができるこのユニットの2作品。ふたつでひとつの名作として改めて評価されるべきだと思う。[鈴木 祐/SD180]

Album:『Damage』IECP-10305[HQCD,紙]※同時発売

Official Website:
http://www.davidsylvian.com/
http://www.dgmlive.com/