2014年10月10日

北欧プログレッシヴ・グループ、ホワイト・ウィローの2ndと3rd(『エクス・テネブリス』、『サクラメント』)再発!

◎サイケデリック系フォーク・グループを前身として90年代初頭に結成、1995年にアルバム・デビューを飾って北欧プログレッシヴ・ロック再興の柱となったホワイト・ウィロー(White Willow)。最新アルバム『ターミナル・トワイライト(Terminal Twilight)』(2011年)で展開したスケールの大きな音世界も記憶に新しい彼らは、ライヴ活動と平行して初期作品のリマスター+ボーナス・トラック追加+ジャケット変更による再発も続けており、今回は2作目と3作目がアップデート版として登場となった。

多数のゲストを迎え数年に渡ってレコーディング作業を行なった末に完成したファースト・アルバムと異なり、元アングラガルド(Anglagard)のマティアス・オルソン(Mattias Olsson/ドラムス)が正式メンバーとして加入しバンド形態が整った布陣で制作に臨んだセカンド・アルバム『エクス・テネブリス(Ex Tenebris)』(※右上写真)は、ホワイト・ウィローの実質的なデビュー作と見なすことができるだろう。1作目と同様に内省的なフォーキー・サウンドを基調としながらも、メロトロン&シンセサイザーとエレクトリック・ギターのロングトーンをフィーチャーした本作は、ホワイト・ウィローが“シンフォニック・フォーク”とでもいうべきジャンルを創生したことを物語っている。ナイーヴな面を強調したメロディラインと女性ヴォーカルの歌唱法は、70年代のアシッド・フォークに対するオマージュであったと同時に、当時のシーンのトレンドであったベル・アンド・セバスチャン(Belle And Sebastian)あたりのフォーキー系ギター・ポップの影響もあったのではないだろうか。楽曲タイトルにタナトスや救済といった言葉が使われ耽美かつメランコリックなサウンドで進行していくアルバム構成は、本作がリリースされた1998年のシーンに漂っていた暗鬱モードを反映したものと考えられる。ホワイト・ウィローは決して70年代回顧ユニットではなく、同時代性をも意識したバンドだったということだ。

2作目である程度の手ごたえを感じたのだろうか、2000年リリースの3作目『サクラメント(Sacrament)』(※下段動画)は、リーダー的存在のヤコブ・ホルム=ルポ(Jacob Holm-Lupo/ギター)と女性ヴォーカリストのシルヴィア・エリクセン(Sylvia Erichsen)以外のメンバーを一新して制作された。本作の内容を一言で表すならば“鬱モードからの脱却”がふさわしいだろう。従来どおりアコースティック楽器を多用したフォーキー・サウンドを主体としつつもダイナミックなシンフォニック・ロック的要素が大幅に増加し、作品全体に圧倒的なドラマ性が付加されているのだ。それは前作に顕著に見られた一発録音風から、本作では奥行きを付加した重厚なサウンド・メイキングへと移行した面にも表れている。今回のリマスターは音作りの変化が強調されており、そのあたりに耳を傾けてみるのも面白いだろう。[鬼形 智/SD180]

White Willow – Anamnesis (Remastered)
CD:『 Sacrament (Expanded Edition)』MAR-142284 ※同時発売

Official Website:
http://www.whitewillow.info/
Official facebook:
https://www.facebook.com/whitewillowband?ref=ts