2015年2月20日

マイク・スコット率いる“ウォーターボーイズ(The Waterboys)”の4年ぶりとなる新作『モダン・ブルース』!

◎“フジロック14″で健在ぶりを見せてくれたので、期待はしていたのだが、マイク・スコット(Mike Scott)率いるウォーターボーイズ(The Waterboys)がじつに4年ぶりとなるニュー・アルバム『モダン・ブルース(Modern Blues)』を届けてくれた。メンバーはマイク、ラルフ・サルミンズ(Ralph Salmins/ドラム)、スティーヴ・ウィッカム(Steve Wickham/フィドル)、“ブラザー”ポール・ブラウン(Brother Paul/キーボード)という基本メンバーに、デヴィッド・フッド(David Hood/ベース)、そして伝説的ソウル・シンガー、ドン・ブライアント(アン・ピーブルズの旦那さんとしても知られる)、イギリスのシンガー・ソングライター、ジェイムス・マドック(James Maddock)など、多数のゲストを迎えて制作されている。

マイクは当初“アンサンブルをライヴで録音することを検討する”など、彼らの代表作である『Fisherman’s Blues』を念頭にパフォーマンス精神を高めることを目指したという。『Fisherman’s Blues』はご存じのようにマイクがアイリッシュ・トラッドに開眼したアルバムで、全体を通しトラッド・イディオムに基づくサウンドと歌唱が展開されていたが、作曲はもちろんマイクで、トラッドを換骨奪胎しながら、巧みにウォーターボーイズ・サウンドへと昇華していたのがみごとだった。翻って今作。たしかにここ数作に比べてルーツ色が濃いのはすぐわかる。しかも、アイリッシュだけではなく、米南部のブルースやR&B、ゴスペル、カントリー的ニュアンスまで漂わせているのが最大の魅力といえるだろう。ただし、『Fisherman’s Blues』の時と同様、まったく構えたところがないのは指摘しておくべきだろう。マイクの人柄や人生などもそこには反映されているとみるべきで、ウォーターボーイズのサウンドは大仰さや誇大さとはまったく無縁の人肌のぬくもりと抒情に満ちている。

マイクが4年のブランクの間にどんな経験をしてきたのは知らないし、いまどこに住んでいるのかもわからないが、豊かな音楽生活を送ってきたことだけはわかる。つまり、この空白期間がマイク=ウォーターボーイズに与えた影響はじつに代えがたく大きなものであった、ことが背景を知らすとも浮かび上がってくる。これはマイクにとって新しい自分流のルーツ・ミュージックであるという提示なのかもしれない。もはやケルトでもアフリカン・アメリカンでもない、自己の描く理想のルーツ音楽。ジャケもイイ。[廣川 裕/SD184]

Waterboys – Beautiful Now (Official Video)

The Waterboys – November Tale (Official Video)

Official Website:
http://www.mikescottwaterboys.com/
Official facebook:
https://www.facebook.com/TheWaterboysOfficial