2015年4月22日

ビョーク(Björk)が気鋭のArcaをパートナーに迎えアーティスティックな最新作『ヴァルニキュラ』をリリース!

◎ニューヨーク近代美術館で、サウンド、フィルム、ビジュアル、楽器、オブジェ、衣装、パフォーマンスなどで構成された回顧展も開催されているビョーク(Björk)の新作。ネットへの音源流出で、配信ヴァージョンが先行リリースされていたが、よく見るとけっこうエグい(胸が張り裂ける思いというのがそのまんま具象化されている)新たなアートワークが使用された初回限定盤は特殊スリーヴ付CDパッケージ版でのリリース。収録された9トラックのうち、2曲はビョーク単独で、曲はビョークとArca が、1曲はビョークとArca、ハクサン・クローク(The Haxan Cloak)のプロデュースで制作されており、基本として本作はArcaをサウンド面でのパートナーに迎えた作品ということになる。Arcaとはアレハンドロ・ゲルシ、ベネズエラ出身でロンドンを拠点に活動するトラックメイカー。“エイフェックス・ツイン以来の衝撃!”と称され、インダストリアルからヒップホップ、ノイズ、アンビエント、ジューク、エレクトロニカ、ダブ、ニューエイジなど多彩なスタイルに対応できるアーティストであり、ビョークとの相性はすこぶる良好といっていいだろう。

メロディアスなビョークは、ずいぶん久しぶりかも、と思ってしまうオープニング・トラックに始まるアルバムは、これまでのキャリアで育まれてきたさまざまな要素がちりばめられつつも最後までブレることなく進んでいく。パーソナルな感情が歌詞に反映された作品として『ヴェスパタイン(Vespertine)』(2001年)を想起するファンも多いはず。しかし、彼女には過去にいたポジションに立ち帰るといった発想などさらさらないはず。全体に心の痛みを横溢させつつも“過去は過去、今は今。今はこうしたアルバムが作りたかっただけ”とでもいいたげな、ポップスと呼ぶにはあまりにアート寄りな、アートと呼ぶにはあまりにもポップス寄りな作品といっていいだろう。聴き流すにはヘヴィすぎるかなと思いつつも、終わると再びプレイ・ボタンに手が伸びる(ということは1曲1曲はもちろん、アルバム全体のテクスチャーとして聴き手に訴えるものがある)魔法が込められたアルバムだと思う。もちろん、曲単位で聴き込むことで、それぞれの楽曲の底なしの魅力に引き込まれるはずだ。今後多くの女性アーティストに影響を与えそうな気がしてならない。[鈴木 祐/SD186]

björk: lionsong

björk: family (moving album cover)

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