2015年4月28日

ルネッサンス(Renaissance)の70年代初期に録音されていた幻の未発表ライヴ音源2作品がリリースされた!

ルネッサンス『ディ・レーン・リー・スタジオ1973』/『アカデミー・オブ・ミュージック1974』
◎ルネッサンス(Renaissance)に与えられた“英国随一のクラシカル・ロック・バンド”という称号は、的確であると同時に彼らの一面だけを評したものではないだろうか。クラシカル云々というと優雅で高貴でソフィストケイトされたというイメージが強くなるが、彼らは英国トラッド/フォークの素朴で土着的な要素と、ハード・ロックに通じるアグレッシヴな面も持ち合わせていた。ルネッサンスがハード? と疑問を感じる方が多いかもしれないが、重く骨太なビートを叩き出すドラマーとリッケンバッカー特有の硬質な音色でラインを弾きまくるベーシストからなるリズム・セクションは、クラシックの繊細さとは真逆なものである。ルネッサンスが数多くのライヴ盤をリリースする理由は、彼らが本来の実力を発揮できるのは端正にまとまりがちなスタジオ・レコーディングではなく、ステージ活動にあると認識しているからだろう。

今回リリースとなる2つの発掘ライヴ盤は、ルネッサンスが全盛期に向かう途上にあった70年代前半のもので、いずれもラジオ放送用として正規に録音された音源を使用している。『ディ・レーン・リー・スタジオ1973(Delane Lea Studios 1973)』①(※右上写真)は、アルバム『燃ゆる灰(Ashes Are Burning)』発表後の73年秋のBBCラジオ向けライヴ音源を収録。アルバム・リリース直後ということで、『燃ゆる灰』から5曲が選曲されており、のちのライヴ定番曲だけでなく、「レット・イット・グロウ」「港にて(At The Harbour)」といった珍しいナンバーが聴けるのが嬉しい。アルバム・タイトル曲は70年代中盤以降のベース・ソロなどを挿入した長尺版ではなくスタジオ・テイクに近いが、ゲストでアル・スチュワート(Al Stewart)がコーラスに加わり、ウィッシュボーン・アッシュ(Wishbone Ash)のアンディ・パウエル(Andy Powell)が最高のギター・ソロを披露するスペシャル・ヴァージョンだ。最初は静かに聴いていた観客がラストの「プロローグ」では手拍子を打ってエキサイトするのもわかる名演である。

アルバム『運命のカード(Turn Of The Cards)』リリース後のアメリカ公演を捉えた『アカデミー・オブ・ミュージック1974(Academy of Music 1974)』②(※下段写真)は、ハワード・ステイン(Howard Stein)が指揮する24人編成のオーケストラを迎えた特別公演をCD2枚組で完全収録した作品。実はオーケストラが参加しているのはコンサートの半分ぐらいで、セッティングに難があったのか数回のハウリングが起こっていたりするのだが、流麗なストリングスと快活なホーン・セクションがバッキングに加わった「マザー・ルシア」は格別である。そして本公演でも「燃ゆる灰」でアンディ・パウエルが登場し、スタジオ盤や73年ライヴを凌駕する極上のソロを聴かせる。前半は曲間でお喋りするなどユルい雰囲気で見ていた観客が大声援と拍手喝采を送るのも納得できる名演だ。[鬼形 智/SD186]

CD: ②『Academy Of Music 1974』ディスクユニオン / DUPG-195 / 2015.3.25

Official Website:
http://renaissancetouring.com/
Official facebook:
https://www.facebook.com/RenaissanceTouring?sk=wall