2015年6月22日

ブランドXの貴重な音源集『ミッシング・ピリオド』と『だ・れ・だ?』がリマスタリング、紙ジャケで再発!

◎ブランドX(Brand X)の貴重な音源が2015年24ビット・リマスタリングされ、紙ジャケットで再発された。『ミッシング・ピリオド ‐異常行為前夜‐(Missing Period)』①(※右上写真/下段動画))はこのたびの邦題で想像できる通り、デビュー前の1975年から翌76年にかけて録音されたリハーサル音源をまとめたもので、デビュー以前といいながら、すでにブランドXというグループとしての内実が完全に構築されていることに驚かされる。最初は97年にアウター・ミュージックから正式にリリースされたもので、2013年にもゴンゾー・インパクトから再発されている。ソースとしてはブートレグ『London ’76』があり、これは音のバランンスが悪かったが、正式リリースされるにあたってその点はかなり改善されている。注目されるのはのちのオリジナル・アルバムに収録されるナンバーのプロトタイプが収められている点で、とくにファースト中でも屈指の名曲といえる「ボーン・アグリー(Born Ugly)」がアレンジも含めてほぼ完成形なのが確認できるし、『モロカン・ロール(Moroccan Roll)』の「マラガ・ヴィルゲン(Malaga Virgen)」の原曲「ミゼラブル・ヴァージン(Miserable Virgin)」の炸裂感もすごい!

もう1枚の『Is There Anything About?(だ・れ・だ?)』②(※下段動画)は82年に彼らの7枚目のオリジナル・アルバムとしてリリースされたものだが、当時発表されなかったが、すでにこの時グループは解散状態で、レコード会社からの依頼を受け、キーボード奏者のロビン・ラムリー(Robin Lumley)が選曲した70年代のアウトテイクを集めてアルバムとして仕立て上げられたという代物である。リリースを知った元メンバーたちは激怒したというが果たして事実だったかどうか、いまとなっては知る由もない。それはともかく、内容的にはくさっても鯛というかなんというか。フュージョン的な享楽さが目立っていて、往時のテンションやスリルは望むべくもないのだが、ジョン・グッドソール(John Goodsall)のギターが爽快感たっぷりの1曲目や、ラムリーが持ち味を発揮するフレーズが美しいラスト・ナンバーとか、ファンのツボは押さえてあるのがニクい。もっとも、「ソーホー(Soho)」のバッキングトラックをそのまんま使ったような曲まであったりするのはやりすぎじゃないかという気もするし、パーシー・ジョーンズ(Percy Jones)に至っては1曲しか演奏していないので他の傑作群と並べて語るのはちょっと無理あるかもという感想にはなってしまうのだけど。

まぁ、とかなんとかいいいながらファンのひとりとしてはやはりこの2枚も、ブランドの軌跡として欠かせないし、彼らの研究アイテムとしては重要なピースであるという結論に達するんだけど。[廣川 裕/SD188]

Brand X / Dead Pretty

Brand X / Ipanaemia:② 『Is There Anything About? (だ・れ・だ?)』Wasabi / WSBAC-0008[紙]※2015年5月20日同時発売!