2015年6月27日

マムフォード&サンズ(Mumford & Sons)の約3年ぶり通算3作目となるオリジナル・アルバム『ワイルダー・マインド』!

◎英米で初登場1位、さらにグラミーでも最優秀アルバム賞を獲得した前作『バベル(Babel)』から3年。この間には来日も果たし、ぼくもそのライヴを体験したが、たたき上げのバンドらしいタフさとアコースティック楽器の繊細な鳴りを並立させ、すばらしく余韻のあるフォーク・ロックを聞かせてくれたのが印象に強く残っている。そしてようやく届けられた3作目となるニュー・アルバム。これはちょっとした冒険作といえるんじゃなかろうか。というのもマムフォード&サンズ(Mumford & Sons)を象徴していたといっていいアコースティック楽器を本作ではまったく使用せずスタイルとしてはシンプルなロック・バンドのそれでレコーディングされているのだ。プロデューサーに迎えられたのはアークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)を手がけたジェイムス・フォード(James Ford)。この人選からしてバンドが本作で変化を求めたのは明白で、音楽的な要素からみても彼ら最大の個性となっていたアイリッシュ・トラッドやブルーグラス、フォークといったルーツ色は一掃されている。要するに自分たちのキャリアと実績を一度リセットしたともいえるわけで、チャレンジングなアルバムなのはまちがいない。

ただ、彼らは元来ロック・バンドでありトラッド・フォークのアーティストであったわけではないので、考えようによっては基本に立ち返ってみたともとれる。タフで重心の低いサウンドに、情感の深さを湛えた歌。そうした美点を虚飾を排したネイキッドなバンド・サウンドとして表現すること。このアルバムからはそんなバンドの狙いもうかがえる。おそらく熱狂的なファンからはあまり歓迎されない作品であることも承知しながら、なおこうしたロック・サウンドを鳴らさずにはいられなかったバンドの内実は想像以上の成功を達成したことで余人の想像を超えるプレッシャーが存在したにちがいなく、改めて初心を意識した活動にシフトしたと受け止めたい。ただ、すべてが上々というわけではなく、サウンド面での緻密さや構成は再考されるべき、と思ったのだが。先日、米ラジオに出演し、本作のナンバー4曲を演奏している音源を聞いたのだが、最初に聴いた時より、しっくりと耳になじんだのが意外で、おそらく聞きこむほどにジワジワと魅力が実感できるアルバムということなのだろう。 [廣川 裕/SD189]

Mumford & Sons – The Wolf (Official Audio)

Mumford & Sons – Believe (Live)

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