2016年4月2日

イギー・ポップ(Iggy Pop)の最新アルバム『ポスト・ポップ・ディプレッション』!:イギー畢生の傑作!

◎イギー・ポップ(Iggy Pop)畢生の傑作だ。1曲目からこのアルバムに込めた思いがとてつもない静かな熱量となって伝わってくる。アルバム制作に際してイギーは「2014年の半ば、ツアーを止めて自分の最高傑作を作らなければと思った。小説に近い、アルバム作品と胸を張って呼べるものを。世界中の人たちの心に届く、完成された作品を作りたかった」とインタヴュー時に語ってくれた。微力ながらあれこれ書き続けてきたせいもあって日本ではイギーのアーティスト性、その音楽性もある程度認知されてはいるが、海外、とくに地元のアメリカでは、ライヴのワイルドな側面ばかりイメージされることが多いのだ。加齢と共にそこらを覆したいとの思いが強くなっているのだろう。

そのための相棒となったのがクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(Queens Of The Stone Age)のジョシュ・ホーミ(Josh Homme)で、一緒に曲を書き、彼のスタジオを使いイギーの資金で隠密理にレコーディングを進めてこれを完成させた。ホーミの推薦でメンバーはアークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)のマット・ヘルダース(Matt Helders)、デッド・ウェザー(The Dead Weather)のディーン・フェルティタ(Dean Fertita)等が集まり(よく知られずにいたものだ)、それぞれがシンプルできわめて力強いサウンドでイギーの世界を拡大している。

人が自分の役割を果たした後はどうなるのかを意識して曲を書いていったという。それはもちろんイギー自身のことでもあり、広義では退役軍人なども思い描いたという。そうしたテーマを曲に練り上げるときに意識したのがデヴィッド・ボウイ(David Bowie)とベルリンで行なった創作スタイルであったというが、確かにあの時代に彼が作り上げた『イディオット(The Idiot)』『ラスト・フォー・ライフ(Lust For Life)』は彼の代表作と言うのにふさわしいもので、ここでの①「ブレイク・イントゥ・ユア・ハート」、②「ガルディニア」そして⑦「ジャーマン・デイズ」といった曲にはあの当時の空気が漂っている。

曲の一つひとつがとても丁寧に書かれていってるのがよくわかるが、サウンドそのものは極めてシンプルで、全体にスタジオ・ライヴ風な音となっているが、それこそイギーがこだわりたかったことなのだろう。とてつもない人生を送ってきたイギーの後半をじっくりと見つめるにはこういう音がふさわしいというメッセージが明確に伝わってくる大傑作。このバンドでのライヴを見たかったが。 [大鷹俊一/SD198]

Iggy Pop – Post Pop Depression | ALBUM SAMPLER

Iggy Pop – American Valhalla | #PostPopDepression

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