2017年8月15日

21世紀の日本の音楽シーンに本物のアート・ロックを創造するために生まれたグループ、MIZIKI da Fantasiaのファースト・アルバムが登場!

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◎今年の春頃からプログレ・ファンの間で話題になっていたアーティスト、MIZUKI da Fantasiaがついにデビューを飾った。アルバムのタイトルは『幻想の一夜~In memory of fantasy』。収録された11曲の中に、2曲のインストゥルメンタルがあり、組曲「奇跡の国へようこそ」にも、バッハに影響を受けた「断絶」という1分弱のインスト部分があるので、細かく表現すると、この作品の中に、3つのインスト曲があることになる。そう、もうこれだけで、普通の女性歌手──MIZUKIという名の女性歌手のソロ・アルバムではないことがわかる。さらに、普通ではないのが、ファドやタンゴといった民族音楽から、オペラの歌曲までの幅広い曲調の楽曲が聴けること。加えてアルバムのあちこちで、アープやモーグ・シンセサイザー、ソリーナ、メロトロン、チェンバリンといった70年代に黄金期を迎えたプログレッシヴ・ロック・バンドが好んで使用した楽器のサウンドを聴くことができることだ。果たしてMIZUKI da Fantasiaはプログレッシヴ・ロック・バンドなのか?

「月夜のファド」「夕暮れタンゴ」「サクラサク道」などを一聴する限りでは、いたって普通の女性歌手が歌う楽曲なのだが、「マボロシノアイ」「奇跡の国へようこそ」「幻想の一夜」は70年代型のプログレッシヴ・ロックのイディオムを継いでいることは間違いない。さらに「冬のバラッド」とインストゥルメンタル「蒼の時代」はキング・クリムゾンやPFMが「スターレス」や「人生は川のようなもの」で構築したロマン派とも言えるシンフォニックなアレンジが施されていて、完全にプログレッシヴ・ロック・ファンの心臓を射抜く仕上がりだ。もちろんキュートな容姿とは裏腹にMIZUKIのパワフルなヴォーカルも多くのリスナーを惹きつけるに違いない。さらに現代音楽家にして美貌のピアニストのAnna Hardyもグループに華を添えている。

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しかし、アルバムの終わりに登場する「祈りの歌」(ヘンデルの「オンブラ・マイ・フ」へのオマージュ)から東北沖大震災をイメージさせる「悲しみを乗り越えて」の流れは、ジャンルを超えた感動を呼び、もしかするとこの辺りが、彼ら──MIZUKI da Fantasiaの真骨頂かもしれないとさえ思えてくるのだ。レコード・ショップで配られるチラシにある、“幻想の一夜に、愛を歌う”というキャッチ・コピーからは、彼らがラヴ・ソングを提示するグループであることが窺える。プログレとラヴ・ソング。ありそうでなかったこの二つの融合が吉と出るか否かは、リスナーの評価如何だが、ある人たちにとって、このアルバムが傑作と呼ばれることは、だいだい予想がつく。

はっきり言って、とても不思議なアルバムだ。AKBとダンス音楽とヒップ・ポップ、そしてジャニーズによって支配された現在の日本の音楽シーンにこんなアーティストが出現するなんて。まさに、マボロシを見ているようでもある。[池田聡子]

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